心を動かすのは「波動」!

AIの進化は、驚くほどのスピードで音楽の世界にも広がっています。

AIが作曲をし、AIボーカルが歌い、演奏まで再現する時代。

「これは人間が演奏しているのか、それともAIなのか。」

そんな区別さえ難しくなってきました。

だからこそ、私は今、高校生が奏でる吹奏楽には、これまで以上の価値があると思っています。

生の音楽は、空間の空気を震わせ、その振動が直接人の心へ届きます。

そこには、機械では再現できない「想い」があります。

緊張しながら吹く一音。

仲間を信じて奏でる一音。

何度も失敗しながら積み重ねてきた努力。

そのすべてが音に乗り、聴く人の心を動かす「波動」となります。

おじいちゃん、おばあちゃんが孫のピアノの発表会で涙を流すことがあります。

決してプロのような演奏ではないかもしれません。

それでも涙があふれるのは、技術ではなく、「その子がここまで頑張ってきた」という想いが音楽を通して伝わるからです。

先日、部員たちは、お世話になっている先生方へ一枚一枚心を込めて手作りの招待状を届けました。

すると、多くの先生方から、

「ありがとう。ぜひ聴きに行かせてもらいます。」

という温かいお返事をいただきました。

コンクールは平日です。

先生方は忙しい仕事の合間を縫い、暑い中を電車に乗り、入場料まで払って神戸文化ホールへ足を運んでくださいます。

これは決して当たり前のことではありません。

「この子たちの演奏を聴いてみたい。」

そう思っていただけたからこそ、行動してくださるのです。

人の心を動かすのは、一日だけ頑張る姿ではありません。

毎日の挨拶。

時間を守ること。

授業を大切にすること。

仲間を思いやること。

そんな何気ない積み重ねが信頼となり、「応援したい」という気持ちにつながっていきます。

だからこそ、私たちが目指すのは、

「音楽が上手な人」ではなく、「応援される人」。

その積み重ねが、本番の演奏にも必ず表れます。

コンクールまで、あとわずか。

聴きに来てくださる方々へ、どんな演奏を届けたいですか?。

まだ自分にできることがあるなら、あと一歩だけ挑戦してみませんか。

その一歩が、自分自身を成長させ、仲間を支え、そして誰かの心を震わせる一音になります。

私たちは、金賞だけを目指しているのではありません。

聴いてくださる方の心に、「来てよかった」と思っていただける演奏を届けるために。

そして、音楽を通して「人として成長した」と胸を張って言える夏にするために。

残された時間を大切に、一日一日を積み重ねていきましょう。