吹奏楽部は「生きる力」を学ぶ場所

中学生と高校生の違いは、何でしょうか?

義務教育では、勉強だけではなく、教室という「横の社会」と、部活動という「縦の社会」の中で、人との関わり方や生き方を学んできました。

友人との関係。

先輩や後輩との関係。

先生との関係。

時には、思い通りにならないこともあったでしょう。

そんな経験を一つひとつ積み重ねながら、私たちは社会の中で人と関わる練習をしてきました。

そして高校生は、そんな経験を積んできたことを前提に、義務教育を終え、自分自身で考え、行動することが求められます。

今日は、高校生になったみんなに大切にしてほしいことを、二つだけ伝えます。

一つ目は、「少しの我慢と思いやり」です。

特に部活動は、「吹奏楽をやりたい!」という思いに「この指とまれ!」と集まった仲間でつくるチームです。

当然、全員が気心知れて、何でも分かり合えるわけではありません。

考え方も違えば、性格も違います。

だからこそ、自分の「こうしたい」だけを押し通してしまうと、集団の中で生きることが苦しくなります。

自分の気持ちを大切にすることと同じように、相手の気持ちを想像すること。

時には、少し我慢すること。

そして、仲間を思いやること。

それが、チームで活動するために必要な力です。

二つ目は、「自分の機嫌は、自分でとる」です。

誰だって、嫌なことがあります。

思い通りにならない日もあります。

落ち込むこともあります。

でも、自分の機嫌を周りの人に取ってもらおうとしてはいけません。

本人にはそのつもりがなくても、不機嫌な態度を続けることで、周りの人に気を遣わせてしまうことがあります。

「どうして分かってくれないの?」

「なんで自分ばかり……」

そんな気持ちになることもあるでしょう。

でも、そんなときこそ、自分の感情と向き合い、自分で気持ちを立て直す。

それも、高校生として身につけてほしい大切な力です。

高校の部活動は、託児所でも保育園でもありません。

音楽を楽しむ場所であると同時に、音楽を通して、社会に出てから必要となる「生きる力」を学ぶ場所です。

上手に楽器を演奏することだけが成長ではありません。

仲間を思いやる。

自分を律する。

気持ちを切り替える。

自分の役割を果たす。

そして、仲間と一緒に前へ進む。

これらもすべて、吹奏楽から学べる大切なことです。

もう、いつまでも「義務教育の自分」のままではいられません。

少しの我慢と思いやり。
自分の機嫌は、自分でとる。

この二つを胸に刻んで、今日より少しだけ大人になっていきましょう。

吹奏楽部での毎日は、音楽だけを学ぶ場所ではありません。

未来の自分をつくる場所です。